労働法:「解雇」の規定を解説

労働法:「解雇」の規定を解説

◆ 「労働法」は、労働に関するさまざまな法律の総称ですが、そのなかで、「解雇」について具体的に定めているのは労働基準法になります。

 

◆ 解雇の種類
解雇の種類は次の3つに分類されます。
(1) 懲戒解雇
著しく重大な違反(例:犯罪行為、着服・横領、経歴詐称、業務の妨害等)をした場合に行なわれる懲罰として行なわれる解雇です。ただし、解雇事由は就業規則に列記されたものでなければなりません。

 

(2) 普通解雇
単に解雇と呼ぶ場合もあり、就業規則による解雇事由をもって行なわれる契約解除(解雇)のこと。

 

(3) 整理解雇
いわゆる「リストラ」のこと。普通解雇に属するものではあるが、過去の裁判の判例により現れてきた慣例であり、倒産などの回避を目的とするための人員整理として行なわれる解雇のことです。なお、、整理解雇の実施には裁判の判例で慣例となった「整理解雇の四要件」によらなければなりません。

 

※ (整理解雇の四要件とは)
整理解雇はこの要件にすべて適合しないと無効(不当解雇)とされる。

 

1) 人員整理の必要性:余剰人員の整理解雇を行うには、削減をしなければ経営を維持できないという程度の必要性が認められなければならない。人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるからです。

 

2) 解雇回避努力義務の履行:期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることを要求される。例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力がなされ、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。

 

3) 被解雇者選定の合理性:解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公平でなければならない。

 

4) 手続の妥当性:整理解雇については、手続の妥当性が非常に重視されている。例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多い。

 

以上、整理解雇の四要件は、法学上、(判例法主義を取らない日本において)判例法として法源性を有するものとしても注目されています。一方、近年の下級審では、以上の4つすべてを満たさなければ無効とされる「要件」ではなく、たとえ何かが欠けても、4つを総合考慮した結果、相当と認められる場合は、有効とする「要素」と捉える判例も出てきており、今後の展開に注目が集まっています。

 

(「労働法・解雇」の記事 終わり )